2013年7月2日火曜日

課題研究懇談会「危機の克服と地域コミュニティ」第五回研究会(2013年度第一回研究会)のお知らせ

課題研究懇談会「危機の克服と地域コミュニティ」第五回研究会(2013年度第一回研究会)を以下の日程で実施いたします。
どなたでも、自由にお越しください。


日時 : 平成25年9月26日(木)、14:00~18:00
会場 : 名古屋大学文学研究科・文学部1階、127教室

内容 :

1) テーマ 「コミュニティの人類学再考」

2) 趣旨
 昨今、「コミュニティ」に関わる議論がさまざまな分野で盛んになっている。それはとくに、3.11東日本大震災以降の復興支援政策や、あるいは「孤独死」や「無縁社会」をめぐって、さらには低成長・ポスト成長時代といわれる今日、国家と市場に対する幻滅や信頼低下、「脱埋め込み」と「個人化」への不安、ゆきすぎたグローバル化とネオリベラリズムに対する反発などを背景に活発化し、しばしば「コミュニティ」への懐古的憧憬や過剰な期待となってあらわれる。
 しかし、その議論の内実は一様でなく、「コミュニティ」の定義も一定していない。そのようななかで、いたずらに相互連帯やセーフティ・ネットの基盤としての「コミュニティ」をユートピア化するような言説に対しては注意が必要である。こうした状況に対して、これまで「伝統的」には、比較的規模の小さい「二次的集団」、中間集団を主として調査研究の対象としてきた人類学は、「コミュニティ」を記述・分析するうえで特有の視点と方法論を持ってきたのだろうか。そして、これから持ち得るのだろうか。近代が曲がり角を迎えたようにみえる今日、ふたたび活発化した「コミュニティ」論に対して、人類学研究としての過去の成果と蓄積をあらためて参照しつつ、人類学がどのように寄与することができるかを考えたい。 
 今回は、本課題研究懇談会のキー・タームのひとつである「地域コミュニティ」という概念を念頭におきつつ、人類学と関連領域における「コミュニティ」研究、とりわけ日本民俗学や農村社会学で蓄積されてきた「ムラ」論・村制研究の学説史をふまえ、その成果と課題を検討するとともに、「コミュニティ」論の現代的位置づけ、今後の懇談会における理論的指針について議論する。

3)当日のプログラム

 A)話題提供
  ・鳥越晧之(早稲田大学)
   「日本の村落研究史―社会学・民俗学・文化人類学の視点から」
 渡邊欣雄(國學院大學)
   「コミュニティの人類学―わが研究の回顧と展望―

 B)総合討論(参加者全員)
  「コミュニティの人類学を再考する」

 終了後、懇親会


問い合せ先 :
  佐々木重洋(名古屋大学・文学研究科)
  sasaki@lit.nagoya-u.ac.jp

 

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